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……えらい間が開いてしまいました。

転職とか、ちょっと弾き語りがやりたくて練習につきっきりだったとか、ちょっと時間取りづらいことが続いてたんです。 前回、Functional Object X作って、そのあとWORLD WARの曲も色々やってみてたんだけど、不肖伊藤中年、もう目が音ゲーに追いつかないトシになってちょっとBMSばかりともならなかったのも理由だったりするんですけど。

さて、今回の枕なんですけど……今の音ゲーを取り巻いてる状況の中でBMS作者の技能として「楽器が弾ける」って呪いの側の技能なんですよね。 音ゲーを演奏の射影としてとらえると、楽理の秩序をどう音ゲーの譜面に落とし込むかというテーマに苦しみ続けることになります。 その結果は音楽の動きと譜面の動きを統一するように、もしくは音楽の動かなさと譜面の動かなさを統一するように組み上げることになります。 これで曲の方も展開し続ければまぁ、何とかなるんだと思うんです。 ただそういう曲って難しいというか……演奏するのも難しいし、「なぜそう演奏したいのか」を問い詰めてしまう。 そういう逡巡をすべてクリアしないと今の音ゲーみたいな曲ってやっぱ出来ないなぁと思ってます……ぶっちゃけ給料出るなら頑張りますけど。


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というわけで、ジャンルシャッフル3の登録曲です。 まず、僕はクリックハウスなんて作れません。 単純に、前述の通り楽器が弾けるとその場にある音についての秩序を探してしまうんです。 ましてやラジオから適当にチョップしていい感じにしろなんて言われても何を理由にしてそうすればいいかも皆目見当つきません。 そういう意味では引いた瞬間「詰んだ」と思いました……そうも言ってらんないのがジャンルシャッフルなんですよね。 身内に相談したら別にakufenみたいに持ってかなくてもいいんじゃない?なんてアドバイス貰いつつ音源投げてもらって、結果こういうMinimal House側の曲になったわけです。

……なんてことはBMSの譜面に比べたらどうでもいい話だと思いますので、そちらに関してですね。 今の僕の音ゲー観は、何か余計なことをしないとモグラ叩きの域を出ないと思っているんです。 枕回収のターンですが、もうこのボタン数では「なぜそう演奏したいのか」の秩序を組み切れないんです。 例えばSound Voltexみたいにつまみがあって、今音楽の側で起こっていることをツマミみたいな簡単なデバイスで単純な値として表現できるならそれは簡単なんですけど、そういう事はまぁBMSではできないわけです。 すべて演奏の射影であるところの感覚的なモーションを、それを表すときの演奏の動きの習慣を中継点にして表現できない……正確にはそうするには7鍵では全く足りてない。 本当なら僕はもっと、例えばドミナントセブンのような、サブドミナントマイナーのような……和音の捻じれや断裂、回帰みたいな部分まで完全に譜面にしたいんですが、ぶっちゃけそれなら楽器買わせるほうが早いんです。 そういう意味で、音楽の三次元のモーションに関しては不可能と見越しながら、宜しくやっています。 ただ、リズム……時間軸に関しては音ゲーの中でも十分表現できる余地があります。

「演奏する」ことは常に考えることを伴います。 音楽の流れを見て、そのオーダーの中で音楽のモーションと手のモーションを合わせていく作業が演奏なのだと考えています。 その部分においても「見て、押す」もぐら叩きの限界より先の作業が演奏にはあります。 それの最も歪な表現が「譜面も音も見えないけどどうする?」だったんです。 この曲の問題の部分に関しては、この何もないところから一筋の流れを見て、演奏しないと出来ないものになりました。 あとはこの一筋をどう見るかだけです。